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◆流速計検定所設置以前の流速計検定【1913年(大正2年)頃】

大正08年頃、検定の様子の画像

大正2年頃、広島での検定の様子
「発電用河川流量調査85年のあゆみ」
より、社団法人電力土木技術協会刊

 当時、流速計は欧米諸国で考案されたものが数種類ありましたが、「プライス電気式流速計」、「プライス音響式流速計」、「正向流速計」、「森式流速計」の4種が主に流量観測用として使用されていました。
 第1次発電水力調査時には、海軍省艦型試験所(目黒)に依頼して基本となる流速計の係数検定を行なっていました。この基本となる流速計と国内7支局と5出張所に配布された流速計を比較して係数移動の多少を測定することで正確さを保っていました。


◆流速計検定所の設置【1919年(大正8年)】

大正8年に整備された日本初の試験台車の画像

流速計検定車の様子
「発電用河川流量調査85年のあゆみ」
より、社団法人電力土木技術協会刊

 当時の逓信省電気局により、日本初の整備された流速検定専門の水路が東京都世田谷区大原2丁目27番28号(現在の京王線代田橋駅近く)に完成しました。
 この流速検定は、クロノメーターと自動記録装置よりなり、紙テープ上に時間・走行距離・流速計からの信号を記入する試験が行われていました。
 検定専用水路は、鉄筋コンクリート造り(長さ109.09m、深さ1.82m、内幅1.82m、水深1.52m、側壁・底部は厚さ15.2cm)。水路には覆いがなかったので、降雨などの影響で満水になることを防ぐため、溢流管などが設置されていました。

◆関連法規の施行

 水力発電の開発において最も基礎となる発電水力調査については、「電気事業法(法律第170号102条)」に規定されています。


  電気事業法 第102条【1964年(昭和39年)7月11日制定、法律第170号】

通商産業大臣は、発電水力の開発上必要があると認めるときは、水力を原動力とする発電用の電気工作物を設置している者に対し、その電気工作物を設置している河川について、通商産業省令で定めるところにより、その流量を測定し、その測定の結果を報告すべきことを命ずることができる。


  流速計係数試験規則【1921年(大正10年)12月14日制定、逓信省令第52号】
  発電水力流量測定規則【1965年(昭和40年)6月15日制定、通商産業省令第55号】
  発電水力流量測定規則の解釈について【1999年(平成11年)4月1日、11資公部第101号】

流速計は、測定の日前1年以内に係数試験により係数を確定した流速計であって、流水の状況に応じ適切な性能を有するものにより行うこと。

 

◆戦後の試験設備改築の経緯

流速計検定所正門から見た同所主要建物の画像

流速計検定所正門から見た同所主要建物
「発電用河川流量調査85年のあゆみ」
より、社団法人電力土木技術協会刊

 初期【1919年(大正8年)】に設置された流速計検定所は、50数年が経過しており、試験台数の増加、流速計の使用範囲の拡大、建物の老朽化などにより設備の大改革を行わざるを得なくなりました。1966年(昭和41年度)から設計に着手し、1971年(昭和46年)に新庁舎・試験装置などが完成しました。
 試験水槽の長さは114.9m、幅2m(一部1m)、深さ2mで、改築により対応できる試験の速度範囲は、0.01m/s~6.00m/sとなりました。

 流速計係数試験は、電源開発計画樹立と密接な関係を有する発電水力調査の基礎となるため、逓信省、電気庁、軍需省、商工省、資源庁、公益事業委員会、通商産業省資源エネルギー庁等、官制及び行政機構の改変時後も発電水力調査担当部局において、その検定設備及び業務の改廃をみることなく1994年(平成6年)3月31日まで引継がれてきました。

 

◆流速計試験所設立【1994年(平成6年)4月1日】

紅白幕で飾られた開所式の水路の画像

紅白幕で飾られた開所式の水路

 

流速計検定所に代わって民間機関で流速計の係数試験を実施することになり、通商産業省で定める流速計係数試験規則の技術基準に適合する試験設備(流速計係数確定試験設備)を新設した。試験水槽は、一般財団法人電力中央研究所が1954年(昭和29年)に狛江研究所内に設置したものを整備し活用することになりました。
 設置以来75年、政府機関により行われてきた流速計検定所は、ひとつの区切りを迎えることになりました。





紅白幕で飾られた開所式の試験台車の画像

開所式の試験台車














 『電気新聞』1994年(平成6年)3月31日付で記事が掲載されました。

通商産業省流速計検定所が閉所し、検定業務が電力中央研究所の関連会社である株式会社セレス(旧:株式会社シー・アール・エス)に委譲されることが当時の電気新聞で報じられました。(記事転載許可取得済)
電気新聞、時代の流れに寄り添いながら… (新聞を拡大表示する)






【流速計試験所開設の経緯と現況】

  • 平成3年4月
    (1991年)


    民営化打診

    資源エネルギー庁より電中研に民営化受入れについて非公式な打診。

    行政事務効率化の観点から民間指定機関への委譲の道を探る。

  • 平成3年6月
    (1991年)


    セレス(旧:株式会社シー・アール・エス)へ移譲案

    電中研、エネ庁、電気事業連合会など関係機関で協議の結果、電中研の協力会社である「株式会社セレス(旧:株式会社シーアールエス)」へ移譲案。

  • 平成4年2月
    (1992年)


    協力要請

    資源エネルギー庁(公益事業部長)から電力中央研究所(理事長)に流速計検定業務の民間移譲についての協力要請の文書。

  • 平成4年6月
    (1992年)

    検討会発足

    「流速計係数確定試験設備構成検討会」発足
    ・資源エネルギー庁、流速計検定所長:委員長
    ・資源エネルギー庁、公益事業部発電課技官
    ・流速計協会、会長
    ・株式会社セレス、流速計試験所準備室長(旧:株式会社シー・アール・エス)、他10名

  • 平成5年5月
    (1993年)


    計画承認

    資源エネルギー庁、公益事業部発電課による流速計係数確定試験設備計画の承認。

     

  • 平成5年7月
    (1993年)


    試験所起工式

    試験所開所式テープカットの様子平成5年7月28日、資源エネルギー庁、社団法人電力土木技術協会らの出席を得て起工式が行われた。

    同年12月、建屋検収。平成6年1月、試験システム検収。

  • 平成6年3月
    (1994年)


    逓信省令にある流速計係数試験規則の廃止、電気事業法第一〇一条、第一〇二条に基づく発電水力流量測定規則(第五条第二項)の一部改正、同規則の細目を定める告示について、同年4月1日から施行。
    通商産業省の流速計検定所は、75年間運営され、平成6年3月末日に閉所。

  • 平成6年4月
    (1994年)


    流速計試験所開所

    試験所開所式テープカットの様子「発電水力流量測定規則」の改定と「同規則の細目」の施行
    流速計試験所の開所
    エネ庁へ「性能試験報告書」の提出、承認
    「流速計の係数確定試験約款」策定
    流速計係数確定試験業務の開始

     

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